『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子
そもそも私は小川洋子さんの小説がかなり好きなのですが、この『猫を抱いて象を泳ぐ』は、私の大好きな猫、象、チェスが出てくる上にちょっとシュールなので特別好きな小説になる予感がします。
私が最近猫や象の絵を描いていたり、小学生のころにチェスを習っていて大人を負かしたりしていた思い出があるのはこの小説をココロの底から楽しく読むための素地を作るためだったのではないか?
…と、勝手に思っています。
友だちのいなかった少年が、バスに住むとても太った独身寮の管理人と出会い、チェスを習い、トラウマから成長をやめ、小さいままチェスの人形として美しい棋譜を残す…という端的に説明すると理解が難しい話です。
250キロの体重の人をここまで好意的に描写できるか?って思うのですが本当に小川さんの描写って素敵。「でっぷりとした掌がすりすりと気持ちのよい音を立て、口の周りにはお菓子のかけらがくっついている」とか「甘く柔らかくたっぷりとした手」とか。
それにしても、吉田篤弘さんとか小川洋子さんの小説のちょっとシュールな感じ、現実をうっすらずらした感じが本当に好みです。
小さいころからシュール大好きで、ウゴウゴルーガばっかり見て、大学時代にはシュールレアリスムを研究してたくらいシュール大好き。
なのに自分で一から組み立てた私の部屋はめっちゃ普通でシュールさのかけらもないので、私は安全なところからシュールを少し覗き見するくらいでいいんだなと思いました。つまらない人間です(笑)
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