感想 『かんたん短歌の作り方』

以前、何がきっかけかは忘れましたが、尼崎武さんの短歌を目にしました。
こちらのサイトで、第6回目の歌人として紹介されてもいますが、この方の「かんたんに〜」から始まる愛の歌が大好きで大好きで。

かんたんに愛とか口にするくせにいちいち重みがあってずるいよ
(尼崎 武)

こんなに普通の言葉でズガーンと響く歌が書けるんだ!と衝撃を受けました。

私には大好きな夫がいて、夫はよく私に「好きだよ」と言ってくれるのですが、何度言ってくれても、毎回ちゃんと重みを感じて、私はいつでもにっこりできるんです。
そして、私がにっこりすることを夫は知っているんです。

私によく起きるけど、言葉にするのも難しい現象がたった32文字!

この歌をきっかけにもう少し短歌のことを知りたい、リズムのある文章の書き方を知りたいと思って、『かんたん短歌の作り方』を読みました。


『かんたん短歌の作り方』枡野浩一(ちくま文庫)

後から知ったのですが、私が短歌に興味を持ったきっかけの尼崎武さんも枡野浩一さんで短歌を知ったみたいです!
この本には、ちゃんと私が知りたいと思っていた、「普通の言葉でズガーンと響く短歌の作り方」が載っていました。

おもしろかったポイントその1)短歌の書き方

・「面白いことを書く」のではなく「面白く書く」
・いつもの言葉遣いで書く
・かんたんな言葉だけでわかりやすく表現する
・あらすじを書くのではなく、真実の発見(描写)になっているのが良い短歌
・頑丈に作る
・「ゃゅょ」などは1文字に数えない「ッ」や「ー」は1文字に数える

などなど、おもしろい短歌を作るためのコツがもったいぶらずにふんだんに書かれてる!
しかも、惜しい作品を手直ししたり、男女関係の短歌を、女性目線だったのを男性目線に変えてどうなるか教えてくれたり、とにかくすごくわかりやすくておもしろい。

おもしろかったポイントその2)たくさんの短歌

コミック誌に掲載されていた連載をまとめた本なのだけど、連載時には投稿を募集していて、その投稿作がまたすごいおもしろい。
最後には優秀作がまとめて掲載されていてるんだけど、量も多くてすごくぜいたく。
短歌って1つ1つの歌に気持ちがすごくこもっているから、まとまってると読むのがすごくヘビー。
ものすごく美味しくてカロリーの高い食べ物を並べられているきもち。

おもしろかったポイントその3)恋

作者がコミック誌で知り合ったある漫画家の女性との出会いや、付き合い始め、何か悲しいことがあった様子、そしてなんと結婚することが書かれていて、そういった面でもすごくおもしろかった!
その女性の漫画をかなり読んでいたので本を読みながら「えー!?!?!このふたり結婚してたの?!」って言ってしまった。
そして、あとがきを読んだら二人が離婚されていたことを知り、さらに「エエエーーー?!?!?」っとなった。
ちょっと悲しかったけど、本文から感じられた出会いと付き合い始めの幸せそうな感じは本当だと思うので、甘酸っぱい幸せな気持ちになれます。


すっかり短歌に魅せられて、仕事中も色々気持ちを57577にしてみたんだけど、上司の愚痴ばっかりになっちゃった。
せっかくだから外資系OL短歌を歌ってみたい。




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